ブライドルレザーとは?デメリットや経年変化、お手入れ方法まで完全解説!
投稿日:2024年11月29日 | 最終更新日:2024年11月29日
英国伝統の高級馬具用革としても知られる、硬くてしっかりとした革素材の「ブライドルレザー」。
現在、多くのブランドでこのレザーを使用した革製品が展開されていますが、そもそも「ブライドルレザー」とはどんな魅力や欠点があるのでしょうか?
この記事では、「7つの魅力」をお伝えした後、「ひび割れ」などのデメリットについても実物写真付きで解説していきます。
「ブライドルレザーが自分の好みに合うかどうか?」を判断するのに役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にご覧ください。
【目次】
ブライドルレザーとは?「7つの魅力」をサクッと分かりやすく解説!
ブライドルレザーとは、耐久性や耐水性を高めるために「ロウ」や「ワックス」が擦り込んで製造された、硬くて丈夫な牛革のことを指します。
元々はイギリスで馬具用に発明されたレザーですが、現在はメンズ革製品の素材としても高い人気を誇っており、おもに以下の「7つの魅力」が備わっています。
①堅牢でしっかりとした質感が好印象
ブライドルレザーは、バッグや財布などの革小物に使用される牛革としてはかなり硬めとなっています。
もちろん鉄や木ほど硬くはありませんが、触った感触としては結構カチカチです。
この硬さのおかげで、ブライドルレザー製の革財布を手に持つと、しっかりとした質感が感じられるようになっています。
柔らかいレザーが好みの方には合いませんが、どこか頼もしさすら感じさせてくれるこの感触は、多くの男性が好印象を持つはずです。
②一般的な牛革よりもかなり丈夫
ブライドルレザーは、人間よりもはるかに力の強い馬が引っぱっても千切れないように発明された、耐久性の高い革素材です。
そのためブライドルレザー製の財布は、一般的な牛革製の財布よりもへたりにくく、型崩れもしにくくなっています。
また耐用年数も長く、使用環境にもよりますが、およそ5年~10年は問題なく使うことができます。
③上質でなめらかな手触りが心地よい
ブライドルレザーの表面は、凹凸感がまったくありません。
その手触りは滑らかで心地よく、上質感が感じられるようになっています。
もちろん、安い革財布にも滑らかなレザー製のものはあります。
ですがブライドルレザー製の革財布は、それらとは一線を画す格別の質感となっています。
言葉で伝えるのは難しいですが、実際にブライドルレザーに触れば、誰もが上質な素材であることが直感的に理解できるかと思います。
④重厚感と高級感があって男らしい
まず、上の2つの革財布をご覧ください。
どちらの方が重厚感や高級感が感じられますか?
おそらく向かって左のブライドルレザー製の革財布だったかと思います。
ご覧いただいたように、同じブラックの革財布であっても、ブライドルレザーで仕立てられた方は特有の重厚感と高級感が感じられるようになっています。
では、もう一枚写真をご覧ください。
どちらの方が男らしさが感じられましたか?
こちらも同じブラックのアイテムですが、向かって左の革財布は力強い雰囲気が、右の革財布はおしゃれな雰囲気が感じられたかと思います。
以上のように、重厚感と高級感、そして男らしさが感じられるところがブライドルレザーの4つ目の魅力です。
⑤ブルームが特別感を感じさせてくれる
上の写真のように、ブライドルレザー製の革財布の多くは、新品時に「ブルーム」と呼ばれる白い粉が革の表面に浮き出ています。
これは製造時に塗り込まれた蜜蝋を主成分とするものが浮き出てきたもので、ブライドルレザーの証でもあります。
また「ブルーム」は、革職人が時間と手間をかけて仕上げた証でもあり、その独特の風合いは他のレザーにはない魅力となっています。
「ブルーム」は、使っていくうちに消えていきますが、新品の短い期間だけに見られるそのマットな表情は「ブライドルレザー製の革財布を所有している」という特別感を与えてくれます。
⑥経年変化(エイジング)が楽しめる
ブライドルレザー製の革財布を使い始めると、まず最初に「ブルーム」が取れていきます。
その後、革の色味が少しずつ濃くなっていき、さらに光沢感のある表情も見せてくれるようになります。
この期間のお手入れは「ブラッシング」や「乾拭き」のみで、もちろん、メンテナンスをせずにただ使うだけでも、経年変化を楽しむことができます。
しかしお手入れの仕方や頻度によって経年変化の美しさに差が出るので、より美しいエイジングを目指す場合は、定期的な「ブラッシング」に加え、「クリーム」や「レザーグローブ」でのメンテナンスも行うのがおすすめです。
そうすれば、ノーメンテナンスのブライドルレザーとは比べものにならないほど綺麗な革の表情が楽しめます。
ちなみに最初の革の色が薄ければ薄いほど色味の変化が大きいので、経年変化をたっぷり楽しみたい方は薄めのカラーがおすすめです。
⑦革製品が初めての方でも扱いやすい
ブライドルレザーの7つ目の魅力は、本格的な革製品が初めての方でも扱いやすいところです。
ブライドルレザーは革の表面にロウを塗り込まれているので、少しぐらい水に濡れてしまっても、すぐに拭き取ればシミになりにくい性質が備わっています。
そのため上の写真のような「水ぶくれ」ができやすい高級馬革の「コードバン」よりも扱いやすく、気兼ねなく愛用することができます。
ひび割れ?傷だらけ?購入前に知っておきたいブライドルレザーのデメリット
ここではブライドルレザー製の財布を購入する前に知っておきたいデメリットについて、実物写真付きで解説していきます。
知っておくだけで後悔を防げるので、ぜひ一読ください。
◦ひび割れすることがある
ブライドルレザーの財布は長年使用していると、折り曲げ部分や四隅といった負荷がかかりやすい場所を中心に、上の写真のような「ひび割れ」が起こることがあります。
残念ながらこういった「ひび割れ」が1度起こってしまうと、どう頑張っても元の綺麗な状態には戻せません。
できることと言えば、これ以上ひどくならないように「保湿クリーム」でケアするぐらいです。
もしかするとこのデメリットを知って、
『ひび割れするなら、ブライドルレザーの財布はやめといた方がいいかな……』
と思われた方もいるかもしれません。
しかし過度な心配はしなくて大丈夫です。
というのも「ひび割れ」が起こる原因はおもに乾燥なので、数ヶ月に1回程度クリームで栄養を補ってあげれば予防できるからです。
それに新しめのブライドルレザーはオイルを多く含んでいるので、相当乱暴な使い方をしない限り「買ってすぐにひび割れができた……」なんてことは起きないのでご安心ください。
◦傷だらけになるのは避けられない
ブライドルレザーの表面は滑らかな質感となっているためキズが付きやすく、使用していくうちにどんどん傷が発生していきます。
特に爪や硬い物との接触には注意が必要で、上の写真は、実際に傷が付いてしまったブライドルレザーの拡大写真となります。
こういった細かい傷は、車の「洗車キズ」と同じように使用上どうしても避けられません。
よく見ないと分からないぐらいの傷ではありますが、やはり気になる方は気になってしまうかと思います。
なのでブライドルレザーは、「傷も味のひとつ」と思えるぐらい、気にしない方にのみ向いています。
ココマイスター | ホワイトハウスコックス |
ジョリーロジャー | リージェントブライドル |
ちなみに同じブライドルレザーでも、上の例のような型押し加工されたレザーなら傷が付いても目立ちにくいため、どうしても傷が気になる方はそちらを検討してみることをおすすめします。
新品時に付いている線状の模様は傷ではありません。
革に蜜蝋などを塗り込む際に出来た「ブラッシングの跡」です。
そのうち消えてなくなるので、気にせず使用してください。
ブライドルレザー財布のおすすめは?
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ブライドルレザーの寿命やお手入れ方法など、気になる情報まとめ
- 「ブライドルレザーの寿命は?」
- 「お手入れって何すればいい?」
- 「保湿クリームはいつ使うの?」
など、ブライドルレザーに関するよくある疑問について、まとめて解説していきます。
ブライドルレザーの財布を使っている時に参考になる内容となっているので、ぜひ購入後をイメージしながらご覧ください。
◦ブライドルレザーの寿命は、5年~10年程度
一般的に言われているブライドルレザーの寿命は、約5年~10年程度です。
ですが使用環境によっては、これよりも寿命が短くなることも長くなることもあります。
「毎日10時間ケツポケでノーメンテ」
たとえばこのような過酷な環境で使い続ければ、1年~2年でボロボロになる可能性もあります。
これは汗や湿気が革の劣化を早めるだけでなく、座った時の体重が財布の折り目などを中心に多大なダメージを与えるからです。
さらに歩行時にポケットの中で起こる摩擦は、色落ちを引き起こす原因になるため、こちらも財布の寿命を早めます。
ではこれとは反対に、ブライドルレザーの財布にとって負荷の少ない環境で使用した場合はどうでしょうか?
「いつも鞄に入れて大切に持ち歩く」
たとえばこんなふうに大事に愛用してあげれば、10年を超えてもまだまだ現役で使えます。
ブライドルレザーに限ったことではありませんが、革は日々のダメージが少なければ少ないほど長持ちします。
さらに定期的にメンテナンスをしてあげれば、綺麗な状態も保ちやすくなります。
以上のことを踏まえると、ブライドルレザーの寿命はオーナー次第といえます。
その上で、あえて寿命をお伝えするなら約5年です。
ブライドルレザーは革自体が丈夫なため、よほど雑に扱わない限り最低5年ぐらいは問題なく使えるかと思います。
三年以上使用している
財布は、賞味期限切れ。
財布の寿命は、3年、約1000日出典:Dr.コパ公式ブログ
風水で有名な「Dr.コパ」氏によると、財布の寿命は約1000日なのだそう。
財布は約3年使うとパワーが無くなり、金運が下がってしまうようです。
これが嘘か真実かは分かりませんが、「最近なんかお金関係の調子が悪いな」といった時は、運気を変えるために新しい財布を検討するのもありかと思います。
ちなみに古い財布が捨てるのではなく黄色、ラベンダー色の布や箱に入れて、部屋の北側にそっとしまっておきましょう
とのことです。
◦お手入れは、乾拭きとブラッシングが基本
ブライドルレザーの財布を使い始めてからしばらくは、「乾拭き」と「ブラッシング」だけでOKです。
買ってすぐに防水スプレーをしたり、クリームを入れたりしてしまうと革の劣化を早める可能性があるので、むしろこの2つ以外のメンテナンスはしてはいけません。
それでも防水処理をしておきたい場合は、ブライドルレザーの表面のブルーム(白い粉)をすべて拭き取ってからスプレーをします。
もし上のようにブルームがびっしり付いた状態でスプレーしてしまうと、白い粉と防水スプレーが混ざりあってドロドロになってしまうのでご注意ください。
ちなみに防水スプレーは、自然にブルームがとれた後にするのがちょうどいいタイミングです。
ブライドルレザーはブルームがとれると新品時にあった耐水性が徐々になくなり、水を吸収しやすい状態になるので、防水スプレーをしておくと安心です。
◦保湿クリームは、乾燥を感じた時だけでOK
「なんとなくカサカサしてきたな…」
と感じた時がクリームの入れ時です。
ブライドルレザーの財布は、使っていると革の乾燥を感じる日がやってきます。
この時に「コロニル・シュプリームクリーム」などで革に栄養を補給してあげます。
使うクリームの量は米粒2,3粒程度で、それを布などでうすーく伸ばしながら革に塗り込んでいきます。
クリームは上の写真の点線の折れ曲がる部分など、革に負担がかかりやすいところを重点的に塗ってあげるのがおすすめです。
そして仕上げにブラッシングを行えば、メンテナンス完了となります。
◦おまけ:コードバンとは素材そのものが違う
比較されることの多いブライドルレザーとコードバンは、素材の革そのものが違います。
ブライドルレザーは「牛革」、コードバンは「馬のおしりの革」です。
この2つの革の簡単な比較表を作成しましたので、ぜひ参考にご覧ください。
ブライドルレザー | コードバン | |
写真 | ||
素材 | 牛革 | 馬のおしりの革 |
人気 |
◎ |
◎ |
価格 |
高め |
高め~最高級 |
魅力 | 重厚感がある | 光沢感が美しい |
手触り | 滑らか | かなり滑らか |
硬さ | 硬い | 種類による |
光沢感 | あとで出る | 新品時から強め |
経年変化 | する | する |
耐久性 | 高い | かなり高い |
耐水性 | ある(新品時) | ない |
扱いやすさ | ◎ | △ |
以上がブライドルレザーとコードバンのおもな違いとなります。
コードバンよりもブライドルレザーの方が価格も安くて扱いやすいので、はじめて本格的な革財布を購入される方はブライドルレザーがおすすめです。
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【参考文献】